オーストラリアの保険制度は日本とは違いますね。
病院は私立(プライベート)と公立(パブリック)とあります。
私が勤めている病院はパブリックです。
パブリックの病院は治療費全て無料。手術をしてもどんな高度な治療を受けても無料。これは素晴らしいです。退院するときに薬をもらうと、その退院の時にもらう薬代だけ支払います。
それじゃあなんでプライベートの保険に入る必要があるのか?
人口の55%の人がプライベート保険に入っています。
理由は
パブリックの医療費は税金から賄われています。低所得者(約280万)以外から2%の税金が医療費税としてとられています。しかしそれだけでは到底足りないので、ある一定の収入がある人から税金が取られます。独身で$90、000以上稼いでる人、カップルで$180,000以上稼いでいる人は1%ー1.5%さらに税金が取られます。
しかしこの余分な税金支払いを逃れる方法があります。それはプライベート保険に加入することです。
理由の一つは余計な税金を免除できる。
プライベート保険に入るとどんな特典があるのか?
ではプライベート保険に入るとどんな特典があるんでしょうか?
- 年に2回歯医者さんの定期検診を受けることができる。ー歯のチェックとクリーニングが無料。早期発見により定額で虫歯の治療ができる。年間どれくらいの金額を歯の治療にかけられるか決まっているので、余分な治療は有料ですが、無保険に比べたら格安。
- よく利用する医療機関を特典で選んでおけば、それに大して治療費が格安。ーメガネが格安で買える。視力検査は無料。もしフィジオやマッサージなど選べばそれに対しても格安で受けることができる。
- パブリックは慢性的な疾患に対しての専門医への受診や手術の待ち期間が長いがプライベートはすぐにやってもらえる。
プラーベート保険の欠点は?
費用が高いし年々上がっている。そのランクによりますが年間で$1、500ぐらいかかります。すべてをカバーしてくれるわけではありません。パブリックはどんなに高額な治療を受けても無料ですが、プライベートは自分の入っているコースでカバーしてくれる物とくれないものがあります。知り合いで、プライベート保険を使って心臓系の検査を受けようと思い、保険会社にチェックをしたら(検査を受ける前でよかった)自分の保険ではその検査はカバーできないので$10,000かかると言われたそう。自分の入っている保険はよーく読んでおく必要があります。また年代で内容を検討して自分の年代に合ったカバーに変えていく必要があります。50歳になったら妊娠、出産なんて関係ないですもんね。
プライベート保険はギャップを払う必要もあります。プライベート保険でプライベートの病院で治療を受けてもベッドの差額とかちょっとした物の支払いが発生します。
例えば、妊娠して子供を生んだ場合、アフターケアーが充実しているのはパブリック。実際両方を経験した友人が言っていました。パブリックの方が良かったと。
パブリックはサービスを良くて無料だし、すぐにやってくれるんだったらなんでプライベートに入る必要がある?
それはですね。。だから需要が多すぎて対応が仕切れないという問題があります。
緊急度が高い場合はすぐに対応しますが、緊急度が低いとこれが問題。
膝の腎骨董置換術を待っている患者さんなどは2年待ちぐらいがざら。膝は痛みがありますが、命に別状はないので緊急度が低い。そんなこと言ったって、痛くて痛くて歩けないんだよ。。。って言われても、心筋梗塞できた人を救うことの方が先、事故で大怪我をした人の手術が先ってなるわけですよ。
病院に入院している患者さんでもそう。夜中から絶食が始まって夕方の4時ぐらいに、今日は緊急が入ったからできない。また絶食を夜中からやって。。なんていうことが4日間続けて起こる事がザラにありますからね。もしその人が老人だったら絶食でよろよろ状態がさらに悪化するよ、いくら点滴していても。でもそれが私の病院はパグリックで普通に起きる。その日のうちにできたら、今日はすごいじゃん。。って思ってしまう。
義理の両親が高齢で色々とちょっとしたことで問題があって、やれ検査だのなんだの受けています。これが次の日とかにやってもらっている。これはプライベート保険に加入しているから。
これがパブリックだったら、専門医に診てもらう予約を取るだけでも結構待たされる。待たされるといっても何日じゃありませんよ。何ヶ月って単位。ひどければ年単位。
それを考えたらプライベートに入っておいた方が歳を取ったときに便利かなと思います。
そんなんで収入が高くなくても、プライベートの保険に入っている人は結構いると思います。
これからは医療費が高くなって税金だけでは賄えきれなくなって、もしかして日本みたいに少しずつでも負担をしなくてはいけない日が来るのではないかとちょっと不安。
オーストラリア在住の方で保険に入ったほうがいいか、迷っている人にちょっとでも参考になれば嬉しいです。